いつもお世話になっているシェア畑の方から、「田植えをしてみない?」とお声がけ頂いたのは春のこと。
初めて行う田植えに子どもたちは興味津々、保育士は ちょっぴり不安。
でも「やってみたい!やってみよう!」の気持ちが大きく、シェア畑から米の苗を分けて頂きました。
5月29日、みんなで「おいしい お米ができますように…」と思いを込めて、発泡スチロールに田植えをしました。
毎日毎日たっぷたぷになるくらいの水やりをしました。
暑い夏には水がすぐに乾いてしまうので、1日に何度も水やりをしました。
みんなに目が届く園の入口に置いたので、登降園の際や散歩に行く度に、稲の観察をしては自分たちと背比べをして「どんどん大きくなってるね!」と喜んでいました。
稲穂がどんどん伸びると、今度は穂先が弧を描くように垂れて黄金色に色付いてきました。
こうなったら少し水やりはお休みです。
土はカラカラに乾いてきましたが、日に日に実(米)を増やしていく稲穂。実が増えれば増えるほど、どんどん穂先が垂れて来ます。
これが昔からのことわざにある「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」ですね。
子どもたちには まだ少し難しいかな?
稲穂が黄金色に色付いた9月11日、みんなで稲刈りをしました。ついに出来た稲刈りに、子どもたちはこれからどうなるのか興味津々。
まずはいくつかに束ね、逆さまにしてテラスに干します。
すぐご飯が食べられると思った子どもたちは、
「いつお米ができるのかな…」などと話していました。
数日干して乾燥させたら、今度は脱穀です。
割り箸を使って、力を入れてしごきます。するとポロポロと取れる米!
あれ…でもみんなが知っているお米の色とは違います。
「え、なんで?」と手で触ったり匂いをかいだりしている子どもたち。
「これは玄米だよ。これをこれから精米しよう!」
保育士たちはみんなでできる精米の方法を調べました。すると、野球ボールとすり鉢を使うやり方を知りました。
みんなでゴリゴリ…力を合わせて擦っていくと、だんだん白っぽくなってきました。
「わぁ~、お米だね!」
「もう食べられるの?」など、色々な声が聞こえてきました。
仕上げに精米機にかけて真っ白になった米は、全部で1合半ほどになりました。
出来た米はくるみ組・どんぐり組が全員そろった日に米研ぎをし、お散歩に行く前に炊飯器に入れました。
散歩から戻ると、お部屋いっぱいにご飯が炊けた香りがしました。甘くて ほっこり、優しい香りです。みんなで一口ずつですが、おにぎりにして味わうことが出来ました。
今回、「【米】という字は、八十八回も手をかけて ようやく米ができる、という意味なんだよ。」と幼い頃に教わったことを思い出しました。
子どもたちにもその手間暇を知ってもらい、「食べ物を大事にする」という学びになっていたら嬉しいなと感じました。